バリ島

太古、バリはジャワに連なる巨大な一つの火山であった。悠久の歴史の中で大噴火、大崩落を繰り返すなかで、ジャワ島と分離して島となり、噴火と崩落で生じた亀裂は渓谷となり、斜面は豊かな自然に恵まれた大地に生まれ変わったと言う。

ジャワ島から連なる火山帯が島の東西を貫き、東端のアグン山(3412m)とその隣のバトゥール山(1717m)は今尚活動を続ける火山である。

島の東西の直線距離は約140km、南北は120km、総面積5600平方km。年間平均気温は28度の過ごしやすい島である。
島の人口約320万人の内、95%の人々は敬虔なヒンズー教徒で、その教義に従って日常生活の全てを営んでいる。

島に残る伝説
未だジャワ島とバリ島が陸続きだった頃、ジャワの東端に大変正直者の父親と、非常に怠け者で博打好きの息子が住んでいて、息子は頻繁に父親に遊ぶ金を無心をしていたが、父は小言を言うこともなく毎回少しずつの小遣いを渡していた。只父親は息子から小遣いをせびられると必ず数日間家を空けるのが常であった。

ある日息子は、金がないはずの父親が自分に金をくれるのを不思議に思い、家を出た父親に気付かれない様にソット後をつけ、東へ旅しバリのとある山中に分け入ると、そこには父親と話す巨大な龍がいて、父親の願いに応じて龍は自分の体の金で出来た鱗を一枚だけ与えた。

これを見た怠け者の息子は一計を案じ、父親が家に帰った後に再び龍の元を訪れ、実は自分の父親が大病になり治療のため大金が必要になったので金で出来た鱗を全て恵んで欲しいと頼み込み、まんまと大量の鱗を手にすることに成功したが、所詮は怠け者のこと、直ぐに金を使い果たし懲りずに父親に金を無心したため、父親が再び龍の元を訪れると龍に息子の嘘がばれてしまった。

龍は息子に対する怒りを露にし、この山は正直者しか入ってはならないと言い、大きな爪で地面を引っ掻いたところ陸地は千切れ、忽ちの爪跡の深い溝に海水が流れ込み海峡となり、バリ島とジャワ島は切り離されてしまった。

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