オゴオゴ
Ogoh-ogoh

バリ・ヒンズー教の正月はNyepi(ニュピ)と呼ばれ、バリ島では、この日一日は一切の労働の禁止、一切の電力使用の禁止、一切の火気使用の禁止、一切の外出禁止が法律で定められており、異教徒でも外国人でも例外なくこの法律が適用される。

ところがその前夜は、各バンジャール(各村の中を更に小さく区切った生活共同体)毎に拵えたオゴオゴと呼ばれる巨大な怪物の張りぼてを50人から100人位の若者が担ぎ女性達は松明の灯りや鳴り物を持って村中を練り歩き、やがては海まで運び、このオゴオゴを焼き払う。

オゴオゴの怪物人形によって土地の隅々に潜む魔物を引きつけ、海に運んで焼き払うことで魔物を海に返し、静かに正月を迎える事が出来ると人々は信じており、各地ともオゴオゴの製作には多くの時間と費用をかけ、州政府も出来栄えコンテストを催し、優秀作品は表彰する等の保護政策をとっている。

賑やかなオゴオゴ祭りを済ませた翌日のニュピは、島全体から一切の人工音と灯りも火も消えて、完全な静寂が訪れると、バリ人達は家に篭りヒンズーの神々に敬虔な祈りを捧げ、過去一年の反省と今後一年の過ごし方について考える日となっている。

この日ばかりは、国際・国内を問わず飛行機の離発着も停止され、勿論全ての道路の往来もなくなり、街中には人一人見かけることもなく、夜は漆黒の闇が訪れる。国際級のホテルのみ、敷地内に限って最低限の電気火気の使用が許可されている。又、病院の治療器具で電力を要する物は使用禁止対象外となっている。当然ニュピの日には大人は断食することになっているが、乳幼児の授乳は許可されている。

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