【長期滞在情報】
インドネシア・バリの暦

バリ人達は、大昔イスラム教の侵攻を受け改宗を迫られた折に、当時最大のヒンズー王国マジャパイト王に従い、命がけでヒンズー教とヒンズー文化を守りながらバリ島に逃れて来たと言う歴史を持っています。従って現在のバリ人達は、先祖がマジャパイト王国とヒンズー教を命がけで守り抜いたと言う誇りを持ち続けています。

欧米化の波が寄せ来る時代の流れの中にあっても、バリ人達が頑なとも言える程にヒンズー文化を守った生活を送る理由はそこにあるのですが、私達外国人がバリ島に住む以上、その土地や社会の文化や歴史を尊重し、彼等の生活習慣を理解することに努めなければ良好な交流関係は生まれません。

彼等の文化・生活習慣を知りたいと思えば、現地のカレンダーに目を向けることをお勧めします。インドネシアのカレンダーでは、土曜日曜の他の祝祭日は13日ありますが、西暦1月1日の元旦と8月17日の独立記念日を除けば、残る全てはイスラム教、キリスト教、ヒンズー教、仏教に関連する日が祝祭日の休日になっており、夫々に宗教行事が行われています。

バリ島以外のイスラム教徒が多い地域では、西暦カレンダーに加えて太陰暦でヒジュラ暦(1年を354日とする)と呼ばれるイスラム独自のカレンダーも用いられていますが、バリ島では、太陽暦カレンダーの他に、陰暦によるヒンズー教のサカ暦(バリ人はこの暦で暦年を数えます)と、1年を210日とするバリ島独自のカレンダー・ウク暦(バリ人達の各種祭礼と個人的行事はこの暦によります)の三種類のカレンダーによって社会が動いており、夫々の暦による休日に宗教行事が行われているので、旅行者でも長期滞在者でもこれらの祝祭日に当る日に、その行事の様子を積極的に見る様にすればバリ人達の考え方や生活様式が理解出来ます。但し、各宗教行事は210日毎であったり354日毎であったりするため、西暦カレンダー上で毎年同じ日に巡ってくることはなく、少しずつズレが生じるので注意が必要です。

以下に、参考のため、インドネシア・バリ島内で行われている祝祭日の種類と、バリ島でバリ人やインドネシア人と接する時の基本的なエチケットをお知らせします。

祝祭日

元旦=1月1日(西暦)

多くが前日の12月31日と合わせて2日間の連休となる。

ニュピ(ヒンズー・サカ暦)
ヒンズー教サカ暦による正月元旦。2008年のニュピは3月7日。静寂の日とも呼ばれるニュピは、一切の電気・火気の使用禁止、一切の騒音の禁止、一切の労働の禁止、一切の外出禁止が定められ、イスラム教徒等の国内の異教徒や外国人観光客にも適用される。

ガルンガン(ヒンズー・ウク暦)
バリ人にとって最も大切な祭礼である。ヒンズー教の最高神・サンヤンウディによる世界創造と、聖が邪に勝利した祝いの日とされ、210日毎に巡って来る。2008年のガルンガンは2月23日で、その210日後に当る9月17日もガルンガンが巡ってくる。

クニンガン(ヒンズー・ウク暦)
ガルンガンの10日後に行われるクニンガンの祝日は、ガルンガンの日から続く10日間の祭礼期間の最終日であると共に、聖人の魂に対する感謝の日とされている。ガルンガン-クニンガンを通じて行われる行事の全ては、日本古来のお盆の行事に近似している。

ハリ・ラヤ・サラスワティ(ヒンズー・ウク暦)
サラスワティとは、文化・芸術・学問の神として崇められる女神の名前である。四本の腕を持ち、一つの腕には経典を、もう一つには楽器を、三本目の腕には花の蕾を、そして四本目の腕で、教典(学問)を学び、芸能を愛せば、人生と言う花を咲かせることが出来ることをあまねく知らしめるポーズをとっている。全ての学校では教師と生徒が集まり、辞書、教科書、参考書等々に供物を備え、女神・サラスワティに学問の成就を祈願する。

ハリ・ラヤ・パゲルウェシ(ヒンズー・ウク暦)
あらゆる鉄製品(文明)に感謝する日で、農機具、鍋釜などあらゆる金属製品にチャナン(供物)を備えて神に文明の発展に対する感謝の祈りを捧げる。

これらの祝祭日の他に、イスラム教の断食明けを祝うレバラン大祭(イスラム・ヒジュラ暦)、キリスト受難の日(キリスト・西暦)、巡礼の日(イスラム・ヒジュラ暦)、ワイサック(仏教の日)、キリスト昇天の日(キリスト・西暦)、イスラム暦元旦(イスラム・ヒジュラ暦)、マホメット誕生の日(イスラム・ヒジュラ暦)、インドネシア独立記念日=西暦の8月17日、マホメット昇天の日(イスラム・ヒジュラ暦)、クリスマス(キリスト・西暦)が祝祭日として行われています。1月1日の元旦と8月17日の独立記念日以外の日が限定されていないのは、夫々の宗教の暦で行われる行事を中央政府の宗教省が調整して発表するため毎年少しずつのずれが生じるためです。

インドネシア/バリ島のカレンダー インドネシア国民の祝祭日 バリ島の祝祭日 
種別 月/日 祭日の名称 祭日の意味 宗 教
1/1 TAHUN BARU 新年
IDUL FITRI SYAWAL 断食の終わりを祝う イスラム教
  HARI PENAMPAHAN GALUNGAN ガルンガン前夜祭 ヒンズー教
HARI RAYA GALUNGAN 全ての神々と神格化された祖先の霊に祈りを捧げる祭儀。「神々と祖先の霊はガルンガンの5日前に地上に降り、5日後に天に帰る」と言われ、日本のお盆に似ている。 ヒンズー教
HARI MANIS GALUNGAN 家族親族が集まったり、友人宅を訪問する。 ヒンズー教
HARI RAYA KUNINGAN あらゆる霊魂に祈りを捧げる日。ガルンガンの10日後に行われ、ガルンガンの前後に連なる祭儀はこの日をもって終了する。 ヒンズー教
WAFATNYAISA ALMASIH キリスト教の復活祭 キリスト教
HARI RAYA NYEPI ヒンドゥー教の新年、静寂の日 ヒンズー教
IDUL ADHA イスラム教の犠牲祭 イスラム教
KENAIKANISA ALMASIH キリストの昇天祭 キリスト教
TAHUN BARU HIJRIYAH イスラム暦新年 イスラム教
HARI RAYA WAICAK 釈迦の生誕、成道、涅槃を成就した日を祝う。 仏教
HARI RAYA SARASWATI 学問の神様に感謝の祈りを捧げる日 ヒンズー教
HARI RAYA PAGERWESI 鉄から出来ている製品に感謝の祈りをする日 ヒンズー教
MAULU NABI MUHAMMAD SAW モハメッド昇天祭 イスラム教
8/17 PROKLAMASI KEMERDEKAANRI インドネシア独立記念日
12/25 HARI RAYA NATAL クリスマス キリスト教


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