【長期滞在情報】
宗教

旅行者である間はそんな事はないと思いますが、周囲のインドネシア人達がこちらを滞在者と意識し親しく付き合い始めると、必ずと言って良いほどに「貴方の宗教は?」と言う質問を受けることは、海外に行く機会が多い人ほど頻繁に経験するはずです。この場合、殆どの日本人は「いやぁ宗教なんて」とか「特にありません」と答えること多いようですが、この答を聞いた相手の表情や態度に変化が現れることを感じ取れる人は多くありません。

多くの国々がそうであるように、インドネシアでも宗教は人々の生活の中で非常に重要なものとして扱われています。インドネシアでは国で認めた5つの宗教(イスラム教、キリスト教カトリック、同プロテスタント、ヒンズー教、仏教)の何れかに所属(改宗は自由)しなければならないと法で定められており、生まれた時から両親が所属する宗教の教義に従った生活を送っているために、多くの日本人の様に無宗教的な感覚は彼らには全く理解出来ない様です。役所に提出する書類にも信じる宗教を書く欄がありますし、無記入のままだと受け付けて貰えません。

バリ島に住む300万人強のバリ人達の95%は敬虔なヒンズー教徒であり、彼等にはヒンズー教と仏教は同じ、又は極めて近似している(事実ルーツは同じである)との認識があり、仏教徒の日本人は自分達に最も近い友人・仲間と言う意識を強く持っています。その上、日常生活の全てをヒンズー教の教義に忠実に沿って営んでいるバリ人にとって、日本人が宗教に無関心な事が全く理解出来ないらしく、自分は無宗教と答えようものなら、その人はバリ人達との良い交流は望めないと思った方が良いでしょう。

日本人の中には、バリ人は宗教にばかり重きを置くから経済発展がない!と言う人もいます。この日本人は恐らく経済発展の真っ只中で企業戦士、エコノミック・アニマルとして、家族の平安とか人間の内面的な豊かさを犠牲にしながら会社一途、利益追求のために身を粉にして働き続けた人だと思いますが、急速過ぎる経済発展から得る豊かさより、ヒンズーの神々の庇護の下で心の安寧を求めた生活を重視しているバリ人達の方が、多くの日本人より心の豊かさを持ち合わせていることにも気付くべきだと思います。

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