火葬の儀式
Ngaben(ガベン)

ヒンズー教では人が亡くなると、火葬後に故人の霊をベサキ寺院に納めて一連の葬儀の一切を終える。

ヒンズー教では、人の死はヒンズーの神に召されたと言う考えがあり、葬儀、中でも火葬は遺族に出来る範囲で最大の規模で執り行われ、膨大な費用と時間が費やされる。死から火葬まで最短でも1週間、長い人では4年、5年後に荼毘に付される人もいて、故人の経済力や知名度でその形も規模も要する時間も様々である。

写真(右)は自宅から故人の居住地域の火葬場に遺体を運ぶ野辺送りの儀式。写真(下中)は火葬場での火葬。カースト制の最高位の人は白い牛、その下の武士階級の人は黒い牛の背中に遺体を納めて火葬する。

庶民階級又はその下の奴隷階級(と言っても農民)に属する人は、牛の背に乗せられて火葬することは許されない。写真(下左)は火葬後の遺灰を海に運ぶ遺族。ヒンズー教では遺灰は海に流し故人の霊魂だけを自宅の寺に安置することになっている。

写真(下右)は故人の遺灰を海に流すための別れの儀式。この儀式の後、故人の霊は遺族に守られながら一旦自宅敷地内の寺に安置され、約1ヶ月後にバリ・ヒンズー教の総本山、ベサキ寺院に納められ葬儀に関する一連の儀式を終了する。

バリ島に一週間も滞在すれば、必ず何処かの道筋で、「HATI HATI ADA UPACARA AGAMA(ハティ ハティ アダ ウパチャラ アガマ)と書かれた看板を目にすることが出来る。その意味は、「宗教儀礼あり、注意!」と言う意味で、この看板が出されている道は、殆どの場合、暫くして通行止めになるので注意が必要である。バリ島では、宗教行事は全てに優先されるので、宗教行事を行うために障害になると判断されると、どんなメインストリートでも全面通行止めにすることが許され、通りかかった車は必ず迂回しなければならない。また、例えば葬儀の野辺送りの際に邪魔になる場合は電線を切断することもゆるされるため、付近一帯が停電になることもあるが人々は一向に気にとめることはない。


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